〜はじめに〜
「中国」、「お酒」、、、、 この二つのキーワードから思い浮かべるものは何でしょうか? 紹興酒? 白酒? それとも杏露酒? はたまた青島ビール? この問いに対して、迷わず「ワイン」と答える方はあまりいないことでしょう。 それどころか、「えっ?中国ってワイン造ってたの?」と意外に思われるかもしれません。 しかし、日本ではあまり知られていませんが、実は中国は2008年の売上高は世界第7位、2013年は世界第5位のワイン生産国。その中で張裕ワインは中国国内ワイン市場の約20%を占める、名実共に中国ワインのトップブランドなのです。 そして今や中国のみにとどまらず、欧州、北米、東南アジアにも輸出され、高い評価を得ています。 ここでは、張裕ワインについて歴史や中国ワイン事情も交えてご紹介していきます。 |
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もくじ | ||
1.そもそも中国にワインはあったのか? | ||
■1-1 ワインの歴史 |
■1-2 中国ワインの歴史 |
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2.張裕ワインの歴史 | ||
■2-1 張裕ワインの設立 | ■2-2 草創期〜発展期の張裕 | |
■2-3 国際的なワイングループへ |
1.そもそも中国にワインはあったのか?
■1-1 ワインの歴史 | ||
ワインは最も古くからあるお酒であるといわれています。世界中で多くの人々が大量に消費するビールも、今や日本のみならず世界の様々な場所で飲まれるようになった日本酒も、人の介在が不可欠なお酒です。しかし、ワインは葡萄の果皮についている天然酵母が、葡萄の糖分をアルコールに変えて造られますので、その味はさておき、自然発酵でできたワインもきっとあったことでしょう。 | ||
それでは、実際にワインはどのくらい前から存在 しているのでしょうか? 紀元前2000年前には既に原型ができていたとさ れる「ギルガメシュ叙事詩」にワインに関する記述が ありますが、専門家の調査によれば実際には紀元 前6000年あるいはそれより前に遡れるのではない かといわれています。 そしてそのワインの故郷といわれているのは、黒 海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方。現在、 グルジアやアルメニアなどがある地方です。 |
ワインの伝播図 |
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このコーカサス地方からメソポタミア、エジプト、ギリシャ本土へ、そしてローマ帝国の拡大とともにヨーロッパ全土に広がっていったといわれています。また、キリスト教の布教活動もワインの伝播に大きな役割を果たしました。キリストがワインを「自らの血」であるとした逸話もあり、各地のキリスト教教会がワインの醸造に力を入れることになりました。例えば日本でも有名なシャンパン「ドン・ペリニヨン」も、シャンパンを発明したとされる修道士「ドン・ペリニヨン」にちなんでつけられた名前です。 もくじに戻る |
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■1-2 中国ワインの歴史 | ||
それでは中国においてワインはどのような発展の歴史を辿ってきたのでしょうか?そもそも中国にワイン自体、存在していたのでしょうか? 実は中国のワインの歴史は古く、前漢時代の外交家である張騫(ちょう けん)が紀元前128年頃、武帝の命を受け西域に使節として遣わされた際に、葡萄とワインの醸造技術を持ち帰り、その後シルクロードで葡萄とワインの醸造が行われるようになったのがはじまりであるとされています。 |
漢代においては、ワインは皇帝や貴族のものでしたが、時を経て西域文化に傾斜し、ワイン造りが本格化した唐代からワインの商業化が進んだ元代にかけてワイン文化が花開きました。しかし、明代に国策で白酒や紹興酒が推奨されたことから中国のワイン文化は次第に低迷し、清代にいたっては清王朝の弱体化や戦乱による国土や経済の荒廃により、ワイン造りはすっかり衰退してしまいました。 もくじに戻る |
日本でも有名な「涼州詩」は唐代に詠まれた |
2.張裕ワインの歴史
■2-1 張裕ワインの設立 | ||
清代末期、特にアヘン戦争以降、欧米列強の進出が盛んになります。アロー号事件の後処理として1858年に英仏米露の4カ国との間に締結された天津条約、さらに1860年に英仏との間に締結された北京条約では、九龍などが割譲され、様々な港が列強諸国に解放されました。1866年には煙台(えんたい)の港も開放され、以降、各国は競って投資し、港湾も整備して第一級の貿易港に仕立てていきました。 | ||
張裕ワインの創始者、張弼士(ちょう ぴし)は東南アジアで財を成した華僑で、当時、東南アジアの各地で開催されていたヨーロッパの領事主催のパーティーなどでもてなされるワインやブランデーの味には常々感心していました。そのような折に、とあるパーティーで同席した煙台のフランス領事から煙台がワイン造りに非常に適しているという話を耳にし、早速調査を開始しました。煙台は地理的にもボルドーと同じ緯度上に位置している上に気候も似ており、事実この時代に煙台に駐在していたヨーロッパの領事や駐在員の中には、この地がワイン造りに適していることをいち早く見抜き、自家用にワインを造っている者もいました。 | 創始者 張弼士 |
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このような事情に加えて、李鴻章(り こうしょう)の片腕としていくつもの官立企業の役職を兼任していた大企業家、盛宣懐(せい せんかい)の誘致も受け、1892年煙台の地に白銀300万両を投資して、「張裕葡萄醸酒公司」を設立し、15年間のワイン専売権と3年間の免税が認められました。 中国における近代産業としてのワイン造りの幕開けとなります。 もくじに戻る |
創業当時の張裕 |
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■2-2 草創期〜発展期の張裕 | ||
張弼士はその設立初期から近代的な欧州式ワイン造りを志向しており、フランスから120種以上の葡萄を導入して煙台の土壌に適性がある品種を選び葡萄園を開きました。選ばれたのはリースリングやシャルドネ、カベルネソーヴィニヨン、メルローといった現在でもポピュラーな品種でした。中国には西域から伝わった葡萄で造られるワインがこれまでにもありましたが、張弼士が目指したのはヨーロッパで愛されている、洗練されたワインを煙台の地で造ることでした。その情熱により、11年の歳月をかけてアジア最大級の地下セラーも建設し、世界中から一流の醸造家を招いてワイン造りに打ち込みました。 | 初期の葡萄園 |
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地道なワイン造りが実を結び、1915年のパナマ万国博覧会で張裕が出品した赤ワイン、白ワインなどが合わせて4つの金賞を獲得しました。これは中国のワインが初めて世界で認められた記録的な出来事であると同時に、張裕にとっては一挙にその名を世界に知らしめることとなりました。 このような張裕の国際的な活躍に対し、孫文は自ら張裕を訪れて自身が揮毫した「品重礼泉」の書(張裕ワインは故郷である礼泉の水より美味しい、の意)を贈り、実業による国家振興を奨励しました。また、康有為(こう ゆうい)、張学良(ちょう がくりょう)など各界の名士も国産ブランドの発展を誇りに感じていました。 |
パナマ万博の金メダル 孫文寄贈の書 |
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その後も1952年、1963年、1979年と3回連続で全国品酒会の選出する中国八大名酒に、張裕金奨ブランデー、味美思(ベルモット)、赤ワインが選ばれ、張裕のその地位は確固たるものになっていきます。 もくじに戻る |
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■2-3 国際的なワイングループへ | ||
張裕の長年にわたる努力の結果、1987年、煙台市はOIV(葡萄・ワイン国際機構)からアジアで唯一の「国際葡萄・ワイン都市」の称号を与えられました。張弼士が煙台の地でワイン造りを始めて実に95年の歳月が流れ、ここで一つの大きな形となって実を結ぶこととなります。 これ以降、徐々に国際化の動きを強め、様々な国際会議の指定飲料として世界のVIP達をうならせてきました。さらに、1999年にパリで行われた中国文化週間では大きな驚きと賞賛をもって迎えられ、センセーションを巻き起こしました。 |
煙台市は国際葡萄・ワイン都市に |
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2000年以降、国際化のスピードをさらに加速させ、2001年にはフランスワイン業界の巨頭であり、ヨーロッパ最大のワイングループでもある「カステルグループ」と正式に提携し、河北省にカステル・張裕醸酒有限公司を設立、さらに煙台に中国初のシャトーとなる「シャトーチャンユー・カステル」を建設しました。5ヘクタールの建物や広場部分に加えて135ヘクタールの葡萄畑、合わせて総敷地面積140ヘクタールに上る広大かつ壮麗なシャトーとなりました。 |
シャトーチャンユー・カステル |
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また、2006年にはカナダのアイスワインメーカーとの提携によりアイスワインに最適な気候と土壌を選定し、遼寧省に340ヘクタールに上る世界最大のアイスワイン用ブドウ畑をつくり上げ、世界に類を見ないアイスワインの安定的生産に、アジアで初めて成功しました。アイスワインは主にドイツ、カナダが有名で、ほかにハンガリー、フランス、オーストリア、アメリカ、ニュージーランド、一部東欧諸国などで生産されますが、毎年安定して気候条件が整う事が難しい為、この成功はセンセーショナルなことでした。 |
世界最大のアイスワイン畑 |
2007年には、世界的な飲料市場調査会社である英「Canadean」の調査で決定される「世界10大ワイナリー」の第10位にランクインしました。これはアジアのワイナリーとしては初の快挙でした。翌2008年には第7位に順位を上げ、ヨーロッパ、南北アメリカ、太平洋地区の3大生産地というこれまでの構造に対し、アジア、特に中国を第4の極として強烈にアピールすることとなりました。 今、張裕は、中国はもとよりアジアのワイン業界におけるリーディングカンパニーとして、世界中のワイン業界関係者やワインファンから熱い注目を浴びるようになっています。 もくじに戻る |
WINE LIST
2005チャンユー・カベルネ (優選級) (売切) 販売価格:1,980円 |
2005チャンユー・カベルネ (特選級) 販売価格:2,300円 |
2005シャトー.チャンユーカステル (売切) (特選級) 販売価格:6,900円 |
2005シャトー.チャンユーカステル (売切) (珍蔵級) 販売価格:4,800円 |
2008シャトー.チャンユーカステル シャルドネ(新商品) 販売価格:4,800円 |
2006チャンユーリースリング 販売価格:2,100円 |
2009ゴールデンアイスワインバレー 販売価格:4,500円 |
WINE LIST Premier
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